所有するビルの売却を検討している方の中には、額が大きいということもあり、どう売却を進めていけばよいか不安を感じている方もいらっしゃるはず。
ビル売却は住宅を売却するのとおおよそ同じような流れになりますが、注意しなければならないポイントもあります。そこでここでは、ビルを売却した方の事例と売却を成功させる方法について詳しく解説していきましょう。
依頼者のAさん(長男)は、父親であるXさんが亡くなり、次男のBさん、長女のCさんとともに遺産を相続することに。Xさんは都内に4階建てのビルを所有しており、その最上階に居住し、1~2階はテナントとして貸し出していました。3階には次男のBさん家族が現在も居住しています。
Aさんは居住しているBさんに対し「ビルを売却して売買代金を3等分するか、兄弟で共有している以上は賃料を払うべきだ」と訴えていましたが、Bさんがこれに応じず、適切な遺産分割を求めて法律事務所を訪ねることに。
目指す方向性→Bさんが妥当な金額を支払い、単独でビルを所有する
または第三者に売却し、その利益を兄弟で3等分する
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、Cさんも含めて和解に向けて話し合った結果、Bさんが過去の使用利益を含めた妥当な金額をビル購入費として支払うことで、遺産を単独所有することが決まりました。その代金は兄弟に分割され、Aさんたちは当初の予想より多額の代償金を得ることができたと言います。
このように、ビルの売却に関しては身内間の遺産整理として行われることもあるのです。このケースでは無事Bさんの単独所有が決まりましたが、中にはいったん売却して利益を分けるという方法を選ぶ方もいると思います。では、どのような流れで行われるのか、次から見ていきましょう。
ビルの売却は、そもそも普通の不動産売却とは少々勝手が異なります。なぜかといえば「売る対象が個人ではなく、法人や事業主であることが多い」から。ビルを購入するには多額の資金が必要になるので、情報が一般公開されることは少ないと言われています。
また、「事業転換が世間に筒抜けになるのは望ましくない」という事情もあります。必ずしも経営不振で手放すわけではなくとも、顧客や株主からすれば売る=マイナスイメージになりやすいのです。そのため、大々的な宣伝は行わず、じっくりと高額売却を狙うのが一般的だと言えるでしょう。
情報が入って来ないのに、ビルを購入したい人たちにはどのように知らせられるの?と思いますが、この場合は「ブローカー」と呼ばれる存在が購入希望者の悩みを解消しています。ブローカーは常にビル売買の情報を専門的に集め、それを不動産会社に伝えることで利益を得ているのです。不動産会社は条件に応じてビルをそのまま買い取ったり、購入希望者(会員)に紹介して仲介手数料の一部をブローカーに支払ったりします。
事例でもありましたが、ビルの場合は「一部にテナントが入っている」ケースもあります。このテナントとはあらかじめ契約が交わされているため、売却する際に退去を求めることはできません。かといって売れないわけでもなく、一般的にはテナントが入ったまま売却を検討されることが多いようです。
オーナーチェンジとは、ビルの所有権ごと売買する方法。つまり、ただビルの所有者が変わるだけ、というわけです。契約内容自体は前オーナーのものが引き継がれますから、テナントに入っている人たちからすれば「賃料を振り込むところが変更されるのみ」となり、双方にとって手間がかかりません。
しかし、オーナーチェンジの場合は「前オーナーの契約内容に引っ張られ、新たな入居者が現れにくい」パターンもあります。建物ごと売りたい場合、購入者にとってもまっさらな状態の方が何かと活用しやすいので、一度空にしてから売却する方が高く売れる傾向も。
そこで、テナントに立ち退きを求める場合は「立ち退き料」を支払わなければなりません。退去してもらう1年ほど前から入居者たちと交渉しつつ、穏やかな流れで手続きできるよう努めましょう。ただし、立ち退き料をいかに高く設定しても強制退去はさせられないため、あくまでも本人の意志による、というところは押さえておいてください。
戸建てやマンションなどの自宅を売る場合には、築年数が重要となることが多いものです。一定以上の年数が経つと売れないケースもあるため、その場合は解体して更地にしてから売るなど工夫されます。
しかし、それに対してビルは「築年数が古くても売れやすい」のが特徴。なぜかといえば鉄骨や鉄筋など素材が頑丈で老朽化しにくく、人通りが盛んな場所に立つ傾向があるので、ビジネス利用の目的で購入されるからです。
ビルは繁華街やビジネス街など、人で賑わいやすい場所に建てられることがほとんど。そのため、建物そのものよりもエリアに魅力を感じて購入する人も多いようです。
「築古でも満室」というのは、収益物件として高いステータスになります。空き室がある場合とない場合とでは不動産としての見られ方がまったく変わってきますから、物件を空にして売りたい等の目的がなければ逆にテナント募集をかけた方が良いかもしれません。特に駅前をはじめアクセス良好なビルであれば、リフォームしてでもテナントを埋めた方がプラスになる可能性も。
また、ビルはアパートやマンションと違いデザインの柔軟性が低い分、幅広い活用方法があるのも強み。商業ビルとして建てられたものをビジネス利用にするなど、元々の用途とは異なる目的で購入されるケースも少なくありません。
最後に、所有するビルをできる限り高く売りたい!という場合には、以下3つのポイントを押さえることが大切です。
レントロールとは、不動産の賃貸借条件を一覧表にしたものを指します。ここでは賃料や契約期間などが明らかにされているため、投資家をはじめとする購入者が収益性を図る指標として非常に有益です。逆にこのレントロールが準備できない場合は、投資家との取引は難しいとも言われています。
ビルも定期的な修繕が必要ですが、その内容は偽らず、これも分かりやすく一覧にしてまとめておくのが良いでしょう。逆にこまめに修繕・改修が行われていると、管理が行き届いているというアピールになります。購入して早々修繕が必要となればコスト負担が大きくなり、物件としての魅力が下がってしまうので、注意しておきましょう。
基本的には満室の状態で売る方が良い、とお話ししましたが、どうしても入居者が集まらないという場合に使えるのが「フリーレント」。これは入居後数ヶ月の間賃料をゼロにするサービスのようなものです。一度入居すれば数ヶ月で退去するケースは稀ですから、今高く売る、満室にする、という目的を考えれば、将来的にはむしろ得が増える可能性もあるでしょう。
このサイトでは、売却理由ごとにおすすめの不動産会社をご紹介しています。どの会社に売却相談をしたら良いか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産を売りたいと思ったときに考えるのが、「どこの不動産会社に売ろうか」ということではないでしょうか。GoogleMapで「千葉市 不動産売買」と検索したところ(2023年1月23日時点)、111社とたくさんの企業が表示されます。このような多くの不動産会社の中から、できるだけ高値で売却するには、物件や売却理由にマッチしたところに相談するのが近道です。
ここでは111社の中から、不動産を売却する理由や売りたい物件に合わせて、千葉市の不動産会社をご紹介します。不動産売却は様々な手続きもありますから、税理士などの専門家へ相談ができるほか、万が一、仲介で売れなくても不動産会社が直接買い取ってくれ、さらに、いくらで売れるのか査定期間もしくは現金化までの期間を公式HPで明示している不動産会社を選びました。
相続による
売却相談なら
アルカンジュ不動産
古家や残置物のある相続物件も売り主の負担なく売却できる
ひとり一人のお悩みに応じて、専門家が一緒に寄り添い売却方法を提案。古家や残置物がある場合でも売却できる。
住み替えによる
売却相談なら
センチュリー21
あさひアーバン
「売ると買う」を1社で完結。スムーズに住み替えできる
売却だけではなく、2,000件(※1)を超える販売物件情報を公式HPへ掲載。数多くの物件から住み替え先を選べる。
山林・農地
売却相談なら
小副川工務店
山林ならではの売却アドバイスや手続き代行もしてくれる
最短30分で査定金額を提示する工務店。農地だけではなく、山林の売却相談を唯一受けている企業。
■選定条件
GoogleMapで2023年1月23日に「千葉市 不動産売買」で検索し、表示された111社の中から、賃貸物件の仲介のみを行う不動産会社を除外。さらに不動産売却で司法書士など専門家相談ができ、売却手法として「仲介売却」のほかに「自社買取」にも対応し、査定もしくは現金化までの期間について公式HPで明記されている不動産会社を選出。
◇アルカンジュ不動産会社
相続した土地付きの古家を売却する場合、選定条件の企業内で唯一、古屋・残置物ありでも、そのまま売却できると公式サイトに明記していることから「相続相談のできる不動産会社」として選定。
▼税理士などの専門家との提携
参照元:アルカンジュ不動産公式HP(https://archange-re.jp/akiya_demerit/)
▼売却対応物件
参照元:アルカンジュ不動産公式HP(https://www.archange.co.jp/sale-contact/)
▼古屋・残置物あり売却可能
参照元:アルカンジュ不動産公式HP(https://archange-re.jp/faq/)
◇センチュリー21あさひアーバン
売却対応物件がマンションと一戸建て、販売物件が2,388件(※1)(2023年2月6日時点)と選定条件の企業内で最多の物件数を取り扱っていることから、売ると買うの一本化ができる「住み替えしやすい不動産会社」として選定。
(※1)参照元:センチュリー21あさひアーバン公式HP(https://www.asahiurban.com/)
▼税理士などの専門家との提携
参照元:センチュリー21あさひアーバン公式HP(https://www.asahiurban.co.jp/company/qa.html)
▼売却対応物件
参照元:センチュリー21あさひアーバン公式HP(https://www.asahiurban.co.jp/)
◇小副川工務店
選定した企業の中で唯一(2023年2月時点)、農地と山林の売却にも対応することから「農地・山林を売却できる不動産会社」として選定。
▼税理士などの専門家との提携
参照元:小副川工務店公式HP(https://fudousankaitori-lab.com/)
▼売却対応物件
参照元:小副川工務店公式HP(https://osoegawa.jp/company/)